forestline’s blog

山にはまったダイバーのブログです。

谷川岳トレッキング(9月24日一ノ倉沢出合)

 前日,谷川岳山頂までトレッキングをし,太ももが筋肉痛ではありますが,僕からすれば「谷川岳と言えば一の倉沢」という感じもあり,かの有名な「衝立岩」を見てみたいということで,「一の倉沢岸壁トレッキングコース」を歩きました。

 

 

 「一の倉沢岸壁トレッキングコース」と書くと,大層な感じもしますが,旧国道となっている舗装道を歩くだけで,標準タイム片道約1時間のハイキングです。


 前日は旅館に泊まり(なかなかいい旅館でした。),再び車をベースプラザに駐車し,1F出口を正面からまっすぐに歩くと「谷川岳山岳資料館」があります。この日はこの先が自動車通行止めになっていました。

 道なりに歩くとすぐに「谷川岳登山指導センター」があります。

 一の倉沢出会までに「休憩ポイント」とされているところが3カ所ありますが,いずれもなぜそこが特にポイントになったのか,よく分かりません。

 P9253470.jpg



 
 まあ,休まずともいいくらいの距離です。道は湯檜曽川に沿っており,左は山,右は川となっています。
 道は少しずつ登っていくので,段々川が下になっていきます。
 両脇とも木が生い茂っており,気持ちよく歩けます。

 休憩ポイント1を過ぎて少しすると,「マチガ沢」が見えてきます。

 P9253473.jpg


 コーナーを曲がると迫力ある沢と山が見えてくるので,一気にモチベーションが上がります。 

 マチガ沢には昔,人家が3軒(だったかな)ほどあったそうです。
 険しい山を越え,深い谷を降りてきた昔の人がこの人家の灯火が現れるのを待ち焦がれる,ということで「マチガ沢」という名前が付いたのだそうです。



 マチガ沢を過ぎてまた林道のような道を歩きます。
 時折,電気自動車が抜いていきます。「一ちゃん号」と「倉ちゃん号」だったかな。
 ベースプラザ1F前から出ている電気自動車で,「歩けない人」が一の倉沢を見に行くためのものです。実際は「歩きたくない」人が乗っていくようです。


 その後休憩ポイント2,休憩ポイント3を順調に過ぎます。

 そして,何度目かのカーブを曲がると,息をのむ光景が現れます。いや大げさでなく,本当に息をのみました。

 P9253490.jpg

 マチガ沢もすごかったけど,比較にならない雄大さ。
 写真ではその1/10も伝えきれません。圧巻でした。



 P9253488.jpg

 説明書きがあったので,載せておきます。

 右上部にあるのが衝立岩。昭和35年にザイルで宙づりになって死亡した2名の登山者を自衛隊の隊員がザイルを狙撃して遺体を落下させ,収容したというのは有名な話です。


 P9253479.jpg

 
 そのほかにも何人もの遭難者を出して遭難死亡者数世界一としてギネス認定となっている谷川岳の顔。

 滝沢も烏帽子もどこの岩壁も切り立っていて,「あそこを人が登るのか」と思わせました。

 頂部にガスがかかっていたのが残念でしたが,もしかするとかえってこの方が不気味さ,迫力を醸し出していたのかもしれません。





 この一の倉沢出合より先に「幽の沢」という沢があります。
 遭難死亡者世界一の谷川ですから,幽霊の「幽」か,と思っていたのですが,「幽」とは洞窟などの穴を指すのだそうです。今回は取りあえず一の倉沢で引き返すことにしました。







 ここ,一の倉沢出合には駐車場があるのですが,その脇にトイレがあります。

 このトイレもまた圧巻でした。100円払うのですが







 P9253487.jpg

 めちゃくちゃきれい!!

 この大自然の中,どこのホテルのトイレ?と思わせるほどでした。





 帰りは高山植物の写真を撮りながら,まったり歩きました。

 P9253475.jpg



P9253468.jpg



P9253469.jpg



P9253494.jpg



P9253495.jpg





 帰りの途中,一ちゃん号が登ってきたのですが,運転手さんが「まむしが出ていたから気をつけて行きなよー。」と声をかけてくれました。

 それ以降は,写真も撮らず,景色も見ずに一心に足下ばかりきょろきょろしながら降りてきたのは言うまでもありませんでした(笑)




 行く前に,「山なんて坂を上がって下りてくるだけじゃないですか。意味が分かりません(笑)」と後輩に言われて反論もできず「そう言えばなんで登るんだろ?」と考えていました。

 僕の場合は,多分,その場所に行かなければ見られないものを見たいから行きたくなるんだ,と判った気がしました。写真や映像では感じ取れないものが確かにそこにはあるんです。



 今回の旅で新調したグッズの使用感について。

 ○ザック…使い勝手はいい。けど今の僕の体力的には不相応に大きく重い。
 ○カメラストラップ…とてもいい感じ。だけど,岩に取り付く時はやっぱりカメラは揺れます。
 ○シューズ…とてもいい感じ。
 ○電子ファインダー…見やすいしいい感じ。
 ○ハイドレーション…即座に水分補給ができるので楽。


p.s.
 ベースプラザから車に乗って帰る途中に,遭難慰霊碑がある広場の横を通ります。
 ちょっと寄ってみました。

 駐車スペース側にものすごい数の今まで谷川岳で遭難死した人々の名前が刻んであります。
 休憩ポイント2の脇に,遭難死した方お父さんが建てた碑がありましたが,その方の名前も刻んでありました。
 そして今年の分にも既に4人の方の名前も。

 カメラを持って外には出たのですが,ここは何となく写真を撮るのがはばかれてしまいました。