forestline’s blog

山にはまったダイバーのブログです。

2019年14座目 槍ヶ岳(2日目)

 

 2日目

槍沢ロッヂ~ババ平

朝食が5:00~のため、4:00に起床しました。

恐る恐る外に出て空を見上げたところ、分厚い雲に覆われていましたが、雨はまだ降っていないようです。

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朝食後、そそくさと用意をします。この日槍沢ロッヂには、おそらく最盛期の1/3くらいの入りだったと思うのですが、それでも数十人宿泊していたと思います。が、トイレが本館2Fにしかなく、特に大の部屋が3つしかありません。そのため、使用が集中する朝食後はかなり混みました。

加えて昨晩、頭痛がひどく、鼻も詰まり、喉も痛いという状況で、風邪を引いた症状が出たため、風邪薬を服用しました。

そのため、あんまりすっきりしないままでしたが、6:00にいよいよ槍ヶ岳に向けて出発しました。

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最初のチェックポイントは、ババ平です。

以前は、ここに違う名前で槍沢ロッヂがあったそうなのですが、現在の場所に移転したそうです。現在はテン場となっています。

さて、出発の頃、ポツポツと雨が降ってきました。そのため、ザックカバーは最初から付けていますが、暑いのでレインウェアは着ずに出発しています。

それが、歩き出してから5分も経たないうちに、雨は本降りへと変わり、レインウェアを着なければならない状況に。その後サコッシュの中身も移動させ、カメラを入れるようになりました。

途中でレインウェアを着たり、サコッシュの整理をしたりしたせいか、ババ平に到着したのは、6:50でした。ババ平は槍沢ロッヂから0.9kmの位置にあります。

ババ平のテントの数はさすが少なかったです。

 



ババ平~大曲り

次のチェックポイントは大曲りになります。ババ平では休憩はせずにそのまま進みます。カメラをしまってしまっているので、これから写真はちょっと少なくなります。

道は、樹林帯を過ぎると川沿いの道となりました。結構開けていて、晴れていれば見晴らしがいいのではないか、と思いますが、この日はガスが低く垂れ下がっていて遠くは見えません。

途中「槍見」と書かれた岩がありました。

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「おお、槍ヶ岳が見えるのかな」と見上げてみると

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槍ヶ岳でした(笑)確かに「槍ヶ岳」とは書いてなかったけど。
蝶ヶ岳へ登る途中の「槍見台」からは本当の槍ヶ岳が見えるようですね。

さて、その後も沢沿いの道を行きます。

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そして7:30に大曲りに到着しました。槍沢ロッヂから90分かかったことになります。標準タイムでは100分ですので、少し速かったみたいです。

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ババ平から大曲りまでは1kmの位置にあります。指導標の行き先に「水俣乗越」とありますが、そちらの方向に向かうと、北鎌尾根に出ることになります。
雨の中ですが、ここで座らずに5分ほど休憩します。

 

大曲り~天狗原分岐

次のチェックポイントは天狗原分岐です。天狗原方向に向かえば、天狗池といって、槍ヶ岳が水面に映って素晴らしい景観を見せる池があります。大曲りから天狗原分岐までは1.1km、標準タイムは60分の道のりです。

川沿いの坂道を登っていきます。レインウェアを着ているので暑くて汗だくになりながら登ります。

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※この写真は登山道から沢を写したものです。

遠く上の方に黒い小屋が見えました。「あそこまで行ってちょっと休憩しよう」と私が言いました。もう暑くて、ザックを下ろして座って休みたかったのです。

しかし、小屋に近づいて見れば、それは黒い大きな岩で「大岩」と書いてありました。
かなりがっかりしましたが、雨も小降りになってきていたので、とにかくそこで休むことにしました。

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すると、この大岩の右横の岩のところに、おこじょが出てきました。動きが速いだろう、とアクションカムでの動画撮影を試みたのですが、広角過ぎておこじょが判別が難しいほど小さくしか撮れておらず、がっくりでした。でも、目には焼き付けることができました。かわいかったです。
大岩到着が8:15でした。ここでザックを下ろし15分ほど休みました。

出発したところ、この大岩のすぐ上に、天狗原分岐がありました。天狗原分岐到着は8:35でした。

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天狗原分岐~坊主岩屋

次の分岐は坊主岩屋です。この坊主岩屋というのは、槍ヶ岳を開山した僧侶の幡隆上人が籠もって修行をした洞窟です。距離は天狗原分岐からたった0.9kmになりますが、標準タイムは90分の道のりです。

勾配が急になってきて、高度も上がってきて段々息が切れてきます。 

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高度を上げると平坦な部分に出ました。周りにはハイマツが生えています。おそらく、ここがグリーンベルトと言われる地帯ではないかと思います。こういう気候状況ですから、雷鳥がいるのではないかと探しながら歩きますが、残念ながら見つけることはできませんでした。

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グリーンベルトを抜けるとまた登り坂になります。そこそこ風が強く吹き付け、体が冷えています。少し止まると震えるほどです。手も革グローブがぐっしょり濡れて冷たくなっています。

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坊主岩屋下の指導標が現れました。上人が籠もるくらいの広さがあるのですから、岩屋の中でザックを下ろして雨露をしのげるんじゃないかと期待しながら登って行きます。

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9:50、坊主岩屋(幡隆窟)到着。

しかし、洞窟の中でザックを下ろして休むほどには広くなかったようですし、意外と寒い!中で動かずにいると凍えるのでそそくさと出てくることにしました。

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坊主岩屋~殺生ヒュッテ

 10:00、坊主岩屋出発、次のチェックポイントは殺生ヒュッテです。当初予定はなかったのですが、とにかく寒いので温まりたかったのです。坊主岩屋から殺生ヒュッテは0.5km、標準タイムは40分です。

岩がゴロゴロしていて、周囲はガスで見えないというまるで火星を歩いているような様相でした(火星を歩いたことはありませんが)。

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10:40,殺生ヒュッテに到着。中に入り、レインウェアを脱ぎ、少しでも乾かします。ゴアのレインですが、内側が結構汗で濡れていました。(下で暑かったので、メッシュスキンの上にレインウェアという着方をしたせいかも。)そしてメッシュスキンのうえにそそくさと乾いたウェアを着ました。

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それほどお腹が空いていたわけではなかったのですが、温まりたくてうどんを所望。美味しかったです。

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 殺生ヒュッテの小屋番は若いお兄さんでしたが、イケメンで親切な人でしたよ。

殺生ヒュッテ~槍ヶ岳山荘

 11:30、槍ヶ岳山荘に向けて出発しました。距離は0.6km、標準タイムで40分となっています。

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 一定斜度の登り道を登っていきます。時には木道もあり、これは歩きやすくて助かったな。

 

数字が書いてある。これはおそらく槍ヶ岳山荘までの距離を表しているものだと思います。段々数が減っていきましたので。

 

しかし、ガスが濃いです。ちょっと前を行く人の姿も見づらい。

 

ようやく槍ヶ岳分岐に到着。右に行くと東鎌尾根に出るようですね。槍ヶ岳山荘まではきっともうすぐのはず。

 

きっとうっすら見える稜線に槍ヶ岳山荘があるはず。。がんばれがんばれ。

 

12:20、槍ヶ岳山荘に到着しました!疲れたー、さむいー。でも、とてもほっとしました。

 

中に入って宿泊の手続をし、濡れたものをごっそりと乾燥室に持って行きました。結構、混みそうな予感がします。乾燥室は暖房が点いていて天国でした。ゆっくりしてしまった。

 

ここで大変な誤算が!絶対買おうと心に決めていた槍Tがまさかの売り切れ!!

あう~。ここで槍Tを買って着て帰ってくることを前提にしたパッキングだったのに。すごい楽しみにしていたのになぁ、、、。

       槍T↓

www.yarigatake.co.jp

 

 

温まった後、外に出てみました。ガスは相変わらず濃く、これでは山頂トライは明朝になりそうです。ところで、槍ヶ岳ってどっちの方角にあるんだろう。。しかし寒い寒い。

 

再び小屋の中に入り、ラーメンを食べました。美味しかったー!温まった。

 

槍ヶ岳山荘~槍ヶ岳槍ヶ岳山荘

登頂は明朝と思っていたので、ベッドで布団をかぶっていたのですが、外が騒がしく。どうも、穂先が見えてきたとのことでした。私は登るとしても、もっと遅くなってから、と思っていたのですが、周りが登頂準備を始めて外に出て行くのを見ていると、段々不安に。

私も登頂準備をして外に出てみます。

 

おおー!穂先が確かに見える、ってか、こんなに近くにあったんかい!

妻に声をかけて、少し待っていると晴れてきたので登ることにしました。

下の方は岩をよじ登り、中盤からハシゴと鎖が出てきます。

 

意外と足をかけるところがなく、探しながら登りました。

 

切れ落ちています。緊張するし、結構疲れます。疲れると、登り方がいい加減になりがちなので、神経を使います。

 

眼下には槍ヶ岳山荘が小さく見えます。

 

最後のハシゴ。ビクトリーロードです。

 

ついに、ついに、登頂しました!「やったー!」と人目をはばからず叫んでしまいました。15分程度で登れました。

 

 

小槍です。

 

小槍側の稜線が少しだけ見えました。

 

妻と社をバックにして写真を撮ってもらった後、恒例の三角点タッチです。三角点は固定されておらず、周りの石に支えられています。

山頂部分は細長い感じで、切れ落ちています。足元がガレた岩場となっていて、若干不安定です。そのため、移動したり、立ち上がったりするとき、ちょっと怖いです。

 

周囲の眺望はほとんどないのですが、真上の空だけが青い、、、。

この後、もうすぐ晴れるのではないかと、40分ほど山頂でねばったのですが、晴れず。下山しました。

下山時は、私はそれほど怖くはなかったのですが、妻は結構怖かったようでした。1つ痛感したのは、この穂先の登山時、ザックは小屋に置いてサコッシュを肩から提げていたのですが、下山時サコッシュで、足を下ろして置く場所が見えないといったことがしばしばありました。やっぱり、アタックザックが最適ですね。

 

そんな感じで下りて行ったのですが、、、

 

下山したら晴れた(泣)

 

でも、もう一回登る気力はありませんでした。。

 

しかし、ブロッケン現象を見ることができました。

槍ヶ岳ブロッケン現象

 

その後、なんかすごい晴れているんですが。。でも今から登ったら夕食の時間に帰って来れないです。

 

夕食は5:30からでした。意外と質素?

食事は2回転でしたね。

 

食事の後、アーベントロートが見られるのではないかと、外に出てみました。すると、マジックアワーが始まっていました。外はめちゃくちゃ寒かったです。体が冷え切りました。

 

今日の寝床。

この日の夜は、正直最悪でした。

頭痛がひどくて、扁桃腺が腫れていて喉が痛く。鼻は両方完璧に詰まり、口呼吸を強いられました。動悸も速くて呼吸も浅いので、眠れませんでした。おそらく、風邪と高山病を併発したのだと思います。ここは3000m超ですから。

翌日は、16時までに徳沢園に着かなければなりません。

計画では9時間かかることとなっていますので、7時には出ないと。しかし、体調が悪いことから、スローな下山を強いられ計画を大幅にオーバーする恐れがあります。

そのため、5:30からの朝食をお弁当にしてもらい、5時過ぎに出立することにしました。それなら多少ゆっくり歩いても15:30頃着けるでしょう。

(続く)