forestline’s blog

山にはまったダイバーのブログです。

白山登山(3日目:下山)

何度目かの覚醒のとき、妻が起き上がって山頂へ御来光を見に行く支度をしていました。腕時計を見ると4時を回ったところでした。

「さて、どうしようか。昨日、ああは言ったものの、ここで登らないと登頂せずに下山することになる。。」とそう考えてしまいました。

 

 

体調はそれほど悪くありませんでしたし、何度も目が覚めた割には眠気もありません。「行こう」と判断し、私もそそくさと準備を始めました。同室の2人も行くのでしょう、起き出しています。

みな起きているのなら、気にせず準備ができます。

準備を終え、外に出ると4時半を少し回っていました。標準CTで40分の道のり、1時間を目安に行けば御来光の頃に山頂に着けるはずです。

 

外はまだ真っ暗なので、ヘッデンを点けて登ります。去年の立山のときのようです。室堂の奥宮の鳥居で拝礼をし、向かって右側に伸びている登拝道を行きます。

途中から妻はマイペースで先に行き、私はマイペースでゆっくり上がります。私は御来光より登頂するのが第一です。登っていても体調はそれほど悪くなく、普通に近い感じで登って行きました。

行程の半分を少し過ぎた辺りから周りは白み始め、室堂が眼下に小さく見えます。

日が昇るのは山の向こう側なので、まだどうなっているか分かりませんが、見える範囲では雲が多く、御来光を臨むことは難しそうです。

 

前日の19日の朝はそれは綺麗な御来光が見られたそうで、周囲の景色の山々も全部見えた、と聞いていたのですが、今朝は秋雨前線の復活が予想より早そうです。

 

5時半少し前に私も山頂に到着しました。山頂のお宮で拝礼し、一番高いところにたどり着きました。

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やはり残念ながら御来光は難しいようで、20分くらい粘ったのですが太陽が雲からはっきり顔を出すことはありませんでした。

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それでも、穂高の山々や剱岳を眺めることができて満足でした。後は下るだけです。

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妻とそそくさと下山し、部屋に戻る前に朝食に行きました。山小屋の朝食というのは見た目質素なのですが、食べるとご飯をお代わりしてしまうくらい美味しいのですよね。特に鯖と思われる魚はとても美味しかったです。

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朝食を終えると、後は本当に片付けをして下山するだけになります。この日は下山後、予定では温泉に入り、白川郷を見て高山に行く予定です。余裕があればそのまま帰宅することも考えていました。

 

さて、8時になりました。下山開始です。

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下山ルートは登りに使った砂防新道か黒ボコ岩から分岐する観光新道が考えられました。眺望は観光新道の方がいいそうですが、ルート的には直線に描かれているので若干急そうです。また、途中の避難小屋も1つしかありません。とは言え、標準CTだと3時間で別当出合まで行けるはずです。

それほど具合も悪くないし、観光新道行ってみるか!と黒ボコ岩から右にルートを取りました。

 

砂防新道が登拝道、といった感じだとすると観光新道は普通に登山道でした。砂防新道の整備された道からするとやや荒れているように感じます。とは言え、普通に考えれば十分整備された道なのですが。

 

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殿ヶ池避難小屋までは普通に降りてきたと思います。花を探しながら、写真を撮りながらだったので若干時間はかかりましたが。

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名前はひとつも分かりません。。

 

ここで小休止をしました。

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トイレは使用不可でした。

 

その後、長い長い階段があったのですが、そこで急に体が重く、足が進まなくなりました。「あれ?どうしたんだろう」と思いました。足の筋肉が疲労してしまって体重のバランスを取るのも苦労するようになりました。その上、予報よりも早く雨が降ってきてすぐに本降りになりました。

そんな中、別当坂に入っていったのですが、かなり厳しかったです。

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雨で岩は滑るし、特に下りでは足がぼろぼろで体重を支えられないし。。登りなら何とかなるんですけど。

途中、地元の消防署員が訓練をしていましたが、私を見て不安に感じたのではないかと思いました。

とにかく降りなくちゃという一心の元、5m下っては休むを延々と繰り返し、もう永遠に着かないのではないかと思いました。雨をしのぐ場所も無し、こうなったら1時間くらい足を休めて出発したいとも思うのですが、ツェルトもなし。

初めて行った燕のときと同じような苦労をしながら歩をだましだまし進め、、そしてついに前日渡った吊り橋が見えたときには、安堵の気持ちがあふれました。(しゃれにならないほどきつかったので、後半はほとんど写真もありません。)

 

 やっとの思いで到着した別当出合でしたが、そこから駐車場まで更に下らないといけない現実。車を回せないかと思ったのですが、鎖でバリケードがされており、無理でした。元気回復のために!とコーラを買おうと自動販売機に行ったのですが、動いてませんでした。もう、踏んだり蹴ったりだ。。(単なる八つ当たりですが、、笑)

リハビリをする人のような歩き方をしながら何とか駐車場まで下り、厳しい厳しい厳しい白山登山をひとまず終えることができたのでした。

予定よりも3時間近く超過しておりました。。

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モンベルのストームクルーザーはとてもいいレインウェアです。

 

温泉は、予定ではもっと遠くの温泉をと考えていたのですが、時間もかなり超過してしまっていたので、近くの白峰温泉総湯に向かいました。ところが、ここの温泉が絶品でした。

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建物も立派な古民家風でしたし、周りの町並みも古民家が建ち並んでいるような佇まいでした。それもそのはず、後で知ったのですが、白峰の集落一体が重要伝統的建造物群保存地区に登録されているそうです。雨が降り続いていたので写真を撮りながら散策できなかったのが悔やまれます。

www.city.hakusan.ishikawa.jp

 

その後、白川郷まで行くのはちょっと難しいと判断したので、付近の道の駅で車中泊をすることに。ただ、食事をしないといけないのと、濡れたザックを運転席に置くのが憚られたので、20kmほど白山市まで戻り、地元のホームセンターで大きなゴミ袋を買い、無性にラーメンが食べたくなったので、ネットで調べて「ラーメン響」というお店に向かいました。

hibiki-niboshi.com

 

ラーメン響は煮干し出汁のスープだそうですが、食券売り場でどれを選んだらいいのか分からず適当に「あっさり味」のラーメンを頼んでしまいました。妻は「濃厚」を頼み、出てきた濃厚のスープを飲んでみると、完全にあっさりより濃厚の方が美味でした。うー。

ただ、濃厚を選ぶと麺が太麺になってしまうようで、私はラーメンは細麺派なので、その点はあっさりでもよかったかも。どちらにせよ満足して店を出ました。

 

その後「道の駅瀬女」に向かい、荷室にマットを敷き、車中泊となりました。

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フォレスターでの車中泊は初めてでしたが、荷室にマット(安物のクローズドセルタイプ)を敷き、その上に布団型シュラフを置きました。私は身長が174cmですが、若干荷室の長さが足りません。そのため、運転席のヘッドレスとに荷締め用フックを取り付け、そのフックにメッシュパネルを引っかけてその上に枕を置くと、足を伸ばして眠れます(このやり方はどこかのブログを参考にしました。)。

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濡れているザックは大きなゴミ袋に入れて各々運転席と助手席に置き、その他荷物は同じく運転席と助手席の足下に置きました。
フォレスターは中からリヤゲートを開けることができないので、後席ドアからの出入りとなります。そのため、靴を置く場所(後部座席の足下)を確保しないといけないので、後部座席の足下にはあまり荷物を置けないことが分かりました。
靴を履くときには、メッシュパネルを移動させる必要があるのがちょっと面倒。今後、もう少し工夫する余地がありそうですが、このやり方でも当面快適に眠ることができそうです。

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気温もそう高くなかったので良かったですが、暑いときや寒いときは、USB扇風機を導入したり、電気毛布(ポータブル電源も必要になりますが)を導入する必要があるかもしれませんね。

 

この日も、相当に疲れているはずなんですが夜に何度も目が覚め、熟睡というわけにいきませんでした。