forestline’s blog

山にはまったダイバーのブログです。

御殿場口登山道でトレーニング?

富士山御殿場口を残雪を求めて登ってきました。

 

今回のお題は、ピークハントではなく、ピッケルによる滑落停止訓練と、ちゃんとアイゼンを装着できるか、ということです。

 

12本爪アイゼンであるグリベルG12を持っているのですが、未だ使用する機会に恵まれず、今までは雪山に行ってもスノースパイクかスノーシューで事足りてしまっていました。

 私のはこれ。

グリベル(GRIVEL) G12・ニューマチック GV-RA074A02

グリベル(GRIVEL) G12・ニューマチック GV-RA074A02

 

 

相方のはこれ 

GRIVEL(グリベル) エアーテック ニュークラシック

GRIVEL(グリベル) エアーテック ニュークラシック

 

 

今年のゴールデンウィークには、燕岳リベンジを考えているのですが、昨年の燕山荘のブログを見ると、ゴールデンウィークでは未だ10本爪以上のアイゼンとピッケルが必要と書いてあり、急遽ピッケルも購入したわけです。

 

私のはこれ

www.kojitusanso.com

 

相方のはこれ 

GRIVEL(グリベル) ネパールSA・プラス 58cm GV-PI175G58

GRIVEL(グリベル) ネパールSA・プラス 58cm GV-PI175G58

 

 

 御殿場口登山道からの富士山というと、ドアto登山口で1時間ちょいという手軽さから、かなり気軽でした。

宝永山まで行けなくてもいいか。それなら朝も適当に6時頃でればいいか、と思い、ザックにも当日の朝になってわさわさ入れ込み、「後で不要だと思ったら次回持たなければいいね」と舐めた感じ。

それで結局6時半にやっと出発。

 

まだ五合目までは車で行けないので、太郎坊から登るってことは分かっており、到着は7時半。ささっと準備を済ませて出発。

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太郎坊洞門まで戻って登山道に向かいます。

最初は新五合目駐車場までの自動車用道路を歩きます。

 

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雪はありません。

ふと左側に「英国機遭難碑」というのがありました。

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1966年3月に起こった航空機事故です。乗員乗客全員が死亡という大事故だったようです。富士山の上には乱気流が発生するようでそれに巻き込まれて空中分解ですって。信じられない。

 

途中、1箇所だけ雪が残っている場所もありましたが、他は乾燥路でした。

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ゆっくりですが、40分ほど歩くと新御殿場口に到着。

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富士山は霊山ですので、どの登山口にも浅間様の鳥居があるのですね。二礼二拍手して無事を祈り、通過します。

 

私の装備はこんな感じ。

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ザックの重量は12kg程度でしたが、かなり重く感じました。タンクとレギを付けたBCみたいだった。(タンク13kg、BC2.5kg、レギ等2kgとして17.5kg)

 

 

これから登山道を整備するのでしょうか。かなり荒れているようでした。どこを歩いたらいいのか分からない部分もありました。

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天気はよく、風は少しありますが寒くありません、というか暑いです。

着装はいつものドライメッシュシャツにメリノウールアンダーウェア、ハードシェル。下はユニクロタイツにスキーパンツです。サングラスを忘れたことに大石小屋にて気づく。。

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 杭とロープが張ってあるのですが、大石小屋より上は、登山道と下山道が分かれていたはず。しかし、どこが登山道でどこが下山道かさっぱり。私たちは杭の山頂に向かって左側を歩いていたのですが、どこを歩いても足が埋もれます。

風がだんだん強くなってきました。

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しかし、御殿場口登山道の裾野は広大です。遮るものがありません。そして宝永山に向かって延々と続く杭。埋もれる足。歩くと軸足が埋もれて下がるため、一歩踏み出しても半歩分しか進みません。なかなか精神を削る山道ですね。しかし、一番富士山らしいように思いました。

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 歩いて行くと、段々残雪部分を通過していくようになります。見た目は地表が露出していても、残雪付近や割れた地表のところは、染みこんでいる水がまだ凍っているらしく、地面が固くなっています。そういったところは登りやすく、地面が割れているところを選んで登って行くのですがランダムに発生しているので、埋もれながらの横移動が多くなります。

 

 

残雪が溶けて川になっているところがありました。御殿場口登山道は、火山灰と火山礫の大地ですから、水などすぐに染みこんでしまい、川などできるわけがと思っていたのですが、ちょろちょろ結構な勢いで流れ、地表を浸食していくのが見られました。

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まさに「富士山の天然水」「富士山の雪解け水」です。頭では富士山の雪が溶けて色々なところを潤している、というの分かっていたのですが、実際にこの流れを見て、そして、全くの乾いた山である富士山の水の流れを見て、プチ衝撃で。魅入ってしまいました。

 

 

新五合五勺を過ぎると、風が強くなりました。そして周りに雪が出てきたためか、風の温度も登り始めとは比較にならないくらい冷たくなりました。ちょっと嫌になってきたので、次郎坊を過ぎて旧二合八勺手前まで登り、その辺の残雪部分でピッケルを使った活動停止訓練をやることにしました。

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(実際は雪がベタベタでほとんど滑動しなかったのですが、まあやり方だけ。相方も真剣に取り組んでくれました。)

止まるとかなり寒くなるので、アイゼン装着練習は、大石小屋まで下りて行うことに。

 

砂走なのですぐ着くと思ったのですが、遠い。笑

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 また、先ほど書いたようにところどころ、地中の水分が凍って地表が固いところがあるので、砂走を駆け下りたとき、そういった場所に足を着いてしまうと足を痛めてしまいそうです。そのため、走ったり止まったり歩いたりでした。特にザックの重みを感じてしまって、疲れました。

 

 

乾いたところを走ると砂が舞い、目も痛いし砂を吸うので、ヘッドバンドを口に巻いてひた下ります。

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やっと大石小屋まで到着。太ももが疲れた。笑

ここでアイゼンを装着したのですが、どうも私のアイゼン、左右逆にジョイントバーが付いている。好日山荘でサイズを合わせてもらったときに、間違えて付けられたようです。燕に行く前に分かって良かった。

 

【後日談】

左右のジョイントバーを外して左右反対に取り付ければそれでよいのですが、「ベルトを反対に取り付ければそれでいいんじゃない?」とひらめいて抜いてしまったところ、ターンバックルの穴に入らなくなるという大ちょんぼをしてしまい、後日好日山荘に持って行くこととなりました。泣